顧客台帳経営

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「顧客リスト」ではない、顧客台帳

20年前、中小企業においてパソコンでの顧客管理というのはまだ一般的ではなく、ワープロでのラベル印刷などが関の山でした。

ただラベル印刷するということは「顧客リスト」を作ることができるということであり、パソコンの普及とともに顧客管理ソフトを用いた顧客管理が広まっていきました。

ではそれまではどうしていたのでしょうか?

顧客管理は原則として顧客台帳によって行われていました。

いつ何を買っていただいたのか、問い合わせをいただいた日時や内容、また対応した担当者やその日時などはもちろん、家族構成であったり誕生日なども書き込まれていたものです。

多くの小規模企業にこうした台帳があり、問い合わせを受けた担当者や経営者はこの台帳を見ることでそのお客様との関係を再度認知し、また台帳に書き込むことでより鮮明な記憶としても残していました。

この台帳の存在により、お客様のこれまでのやり取りを踏まえながら買い替えの促進や気の利いたサービスを提供することができていたのです。

一人ひとりのお客様との密な関係を築き上げ、お得意様を増やし、離れていってしまったお客様については対応に問題がなかったか検討したり、またこうしたお客様を呼び戻すための施策をしたりと様々に手を打つことが可能でした。

顧客台帳経営とは、顧客管理ソフトの普及によりこうした「一人ひとりのお客様」へのサービス品質が結果的に落ちてしまっていることから、もう一度「昔ながらの顧客台帳」を作り、高品質なサービスを生み出しつつきちんと収益につなげることを目指すものです。